女限エリアからこんにちは

君しか描けない未来予想図を見失うな。――TEAM SHACHI SHACHI SUMMER 〜破茶滅茶!夏のサバイバル!〜ライブレポ


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2022年10月10日 19時40分。熱くなった頬を冷たい10月の風に晒しながら、会場に流れる森山直太朗「夏の終わり」を聴いて、ああ、ようやく夏が終わった、と思った。長く待ち望んだ、TEAM SHACHIの夏が終わった。
中止や延期の憂き目に遭いながら満を持して開催された、4年ぶりの「シャチサマ」を通して感じたこと、考えたことを記録したい。

 

目次

 

戻ってきた「夏のライブ」

誰もが見たかったライブがそこにあった。今回の感想は、これに尽きる。

コロナ禍を経て、できなかったことを取り戻すような演出がいくつも組み込まれていたほか、大箱ならではの華を添える演出があった。これが、あまりにも強い「お祭り感」と「夏だ!」という実感をもたらしていた。

難しいことを考える隙すらなく、ただただ楽しい!を繰り出し続ける、これがTEAM SHACHIが10年続けてきたことだ、これを強く実感した。

 

火花や炎が上がるステージ

炎を使った派手な演出は、いつぶりだろう。火花がステージに散る様、火柱があがる様を目撃してタフ民が沸いた。

1曲め目「雨天決行!」のシャウトとともにステージに豪雨のごとく降り注ぐ火花。「番狂わせてGODDESS」のイントロでボッ、ボッ、と上がる炎。「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」で会場後方まで熱気が伝わるほど吹き出した炎。改名してから炎を使うのは初めてなのに、これがTEAM SHACHIのライブだ、思った。

それほどに、彼女たちには炎が似合っていた。「燃え尽きるまでこのままで」と自身が歌うように、その身を焦がすようなパフォーマンスを、ステージから吹き上がる炎が象徴しているようだ。そのパフォーマンスを見て、タフ民の血がわっと沸き立つことすら象徴しているように思える。

それほどに今の彼女に炎が似合っていた。それだけでなく、炎を出せるような、演出にある程度の金額をかけたステージができていることが嬉しく、誇らしかった。

彼女たちは、なんの演出もないステージでも十分に満足できるパフォーマンスをしてくれる。しかし、そこに特殊効果が加わると突然大物感が出る。いつも大きく見える彼女たちがさらに大きく見え、それが板についている。

10年選手の風格が垣間見えた瞬間だった。

 

メンバーがそこかしこに現れる、会場全体を使ったパフォーマンス

今回のステージ組は、メインステージから花道を伸ばし、その先端・客席中央に中央にセンターステージを設置、客席最後方の上手と下手に一つずつお立ち台を設置したものだった。

キャパシティが広がるたび、会場後方とメインステージの距離は遠くなる。それに比例するように、心理的な距離が遠くなるタフ民がいても不思議ではない。それを避けるため、どこから見てもメンバーを近くに感じる工夫が凝らされていた。

また、ステージとステージの移動は花道のほか客席を使うなど、「かなたツアー」ぶりに所謂「客降り」が復活した。

いずれもコロナ禍でできなかったことであり、今回復活できた演出だった。

お立ち台を使用した際は、メンバー4人が四方に散らばる形となり、久しぶりの「うわあどこ見よう!」という感覚だった。

特に、4人で歌い継ぐパートは、回転しながら順繰りに歌っているメンバーを指差すことになり、新たな楽しさを見つけてしまった気持ちでいる。

また、アンコールでのメンバーが通路を練り歩くシーンでは、各所各所でドラマが生まれていた。
こんなに人って笑顔になれるんだと思った、とメンバーがコメントしていたが、ライブ中に目が合うというのはどんな接触にも替えられない尊さがある。
また、それが嬉しいと感じたところに、やっぱりシャチは「ライブ」が真骨頂だとも感じた。

とにもかくにも、メンバーがあちらこちらに出現してその姿を探す瞬間や、センターステージでタフ民に囲まれながらパフォーマンスしている姿にも「お祭り感」を感じて、これだ、夏のライブはこれだ!という感情に包まれた。

 

タオル曲の解禁

夏といえばタオルを振り回す、そんなイメージがあるから、今回はタオル曲が解禁され、「JOINT」が選ばれたのだと思っている。

コロナ禍において、感染拡大防止の観点から「タオル回し」は長らく封印されいた。

それが今回、「タオル回し」が解禁となった。

JOINTがかかった瞬間の驚きとともに、「タオル回してー!」と言われたときに慌ててマフラータオルを引っ張り出したことなどを思い出すと、やっと少しずつかつてのライブが帰ってきたと感じる。

タオルを回すだけでなく、RIP SLIMEのカバーであるゴキゲンなナンバーが、少し冷えた10月の空気を一気に夏に引き戻した感覚がした。

 

ステージングの巧みさ

前項でも触れたように、今回のステージ組はメンバーがより近くに感じる工夫がこらさらていた。

「歌と踊りとお客さん」、と前チーフマネージャーが言ったように、TEAM SHACHIのライブは改名してからも、観客と一体になることを一つの柱としている。無観客で開催となった「シャチZERO」にあっても観客の存在を思わせる演出を組み入れるほど大切にされてきたものだ。

これを踏まえ、シャチサマにおけるメンバーとの距離の近さを思い返してみると、「誰ひとりおいていかない」という意思の表れであったように思う。
やはり、ステージが大きくなればなるほど、エンドステージ一つでは「席が遠かった」という気持ちが出やすいというのは想像に難くないだろう。とくに後方には、最後の一押しで公演直前にチケットを買ったタフ民もいたという。

そんな人たちすらも巻き込んで、会場と一体となったステージを作りたい、そんな思いがあのステージ組にも表れていたのではないだろうか。

そうして思いを巡らせてみると、TEAM SHACHIの「届ける」は双方向のものだということを実感する。
あくまでも、タフ民と渾然一体となってライブを作り上げる。メンバーが届けて、タフ民が受け取って、ひとつになって初めてステージが完成するのだ、と実感した。

コロナ禍となってから、客席に近づくことはタブーとされてきて、メンバーと物理的に近いが故の一体感を半ば忘れかけていたように思う。制限がある中でも、会場との一体感を作り続けてきたが、これが今になって爆発した、そう感じた。

さらに語りたいのは、メンバーが各所に散らばってなお損なわれないパフォーマンスの纏まりだ。

サブステージや通路に出ると、どうしてもダンスが見たかったな、と感じるシーンは多くなる。今回のライブでは、そう感じることが少なかった。

おそらく、大切なパーでトや曲(特にsurvivor survivor・HORIZONの並び)はメインステージでしっかりとメインステージフォーメーションを組んでパフォーマンスしていたからだろう。

大箱でありがちな「ダレ」を極力排除して、楽しさとパフォーマンスを魅せることを両立したバランス感覚の良さは、大箱の経験と小箱での洗練されたパフォーマンスを研ぎ澄ませてきた経験双方を持つTEAM SHACHIだからできたことだろう。

 

気持ちが前に出た「DREAMER」

本編ラストの「DREAMER」では、メンバーすら予想ができなかった展開が待ち受けていた。
ラストサビに向けて「僕らは今~」と歌い継ぐシーン。

秋本帆華がサブステージにつながる花道に足をかけて、大見得を切って歌った。

僕らは皆ひとりじゃない
これだけ知ってれば it's alright

次いで、咲良菜緒が花道へ一歩前へ飛び出る。

僕らは皆強くなれる
無機質な現実 break it down

さらに、坂本遥奈は花道の真ん中まで進む。

僕らは皆探している
果てしなく続くよ winding road

そして、大黒柚姫がとうとうサブステージへと飛び出した。

止まらないで忘れないで
孤独は闇に紛れキミに出会えた
In this world

前へ、前へと気持ちがどんどん前のめっていった、と「柚姫の部屋」で大黒柚姫は語った。

とうとう、全員がセンターステージに立った。これがすべて、予定にない動きだったのだという。
あたかも演出であるかのように、自然に4人がタフ民たちに囲まれたセンターステージにいた。スポットライトと4色のペンライトに照らされて、異様な輝きを放っていた。
そして歌われた歌詞が、どうしようもなくその時の「今」を表していたように感じた。

そして、歌詞はこう続く。

なぜに人はねぇ
目に見えないものにこそ強く惹かれる?
震えるくらいに

今初めて出逢う景色の中
眩しい奇跡感じたなら 何度でも (何度でも) 夢を見よう (夢を見よう)
どんな時もこの瞬間は二度とない

ろくでなしなんかじゃないよ
伊達に今日まで生きてないよ
みんなそうっしょ? 僕ら強いっしょ? 選ばれし者でいいでしょ?

威勢よく声出していこうよ
ココロの全部叶えようよ

もっともっと輝こうっと
燃え上がれ タフなソウルで

Dreamer! Dreamer!

4人はこれを、しっかりと前を見据えて歌った。
勢いで飛び出してきて、何も決まっていなかったのに、自然に全員がそう思っていたのだと、柚姫は語った。

この一連の動きが、どんな逆境でも、チーム一丸となって突き進んできた彼女たちのこれまでを象徴しているかのように感じた。
自分たちの気持ちに正直に、時には予定になかったことも勝手に決めて、とにかく突き進んできた。そして、たどり着いた先では大勢のタフ民に囲まれて、前を向いている。

まるで、今のTEAM SHACHIだ。

動員で苦しむことが多かった大阪の地で、ほとんどが埋まった客席を見た時の感動を思い出した。実力と動員が伴っていない、と感じた場面も多かったが、少しずつ、実力と動員の差が埋まりつつある。

「何度でも夢を見よう」は、声出しができる場面であれば、タフ民のリフレインがあった。
そんなパートを、タフ民に囲まれて、4色のペンライトに照らされて歌う光景は、美しい以外に何と形容すればよいのだろうか。

予定調和で終わらないのがTEAM SHACHIの良さだと思うし、これが「ライブ」の醍醐味だ、とあらためて納得させられた。

なんの打ち合わせもないのに、ピッタリ全員の気持ちがシンクロして心のままにパフォーマンスする、これがどんなに尊いことだろう。それがあれほど美しく終わる、10年伊達に生きてない、「選ばれしもの」の風格を存分に味わった。

 

TEAM SHACHIの自己実現

ライブの最後のMCでは、メンバー一人ひとりが丁寧にシャチサマにかけてきた思いや来てくれたタフ民への思いを語った。

その中で「やりたいことができた」と自信を持って語ったのが印象的だった。

TEAM SHACHIは、改名以降たくさんの苦難を乗り越えてここまできた。シャチサマひとつとっても、1度の中止・1度の延期を経ての2022年10月10日だった。

本来の公演時期から振替公演の間では、ワーナーミュージック・ジャパン内アンボルデから独立、自主レーベル「ワクワクレコーズ」を立ち上げ、また新たなスタートを切った形だ。

改名以降、ヒリヒリすることが何度もあった。節目節目のライブでは、今置かれている逆境をどのように乗り越えるかという覚悟と気合を見せるようなライブが多かったように感じる。

そして今、本当の意味で独り立ちした彼女たちが、取り戻したかった「ライブの形」、を演出面だけでなく、動員も伴う形で成し遂げて見せたことに、彼女たちのありたい姿と、それを成し遂げる力があるということを改めて感じた。

だからこそ、こんなにも楽しくて、とにかく頭を空っぽにして楽しめるライブができたのではないか、と思う。自信を持って彼女たちが届けたライブは、見ていて安心感がある。体を委ねて、難しいことを忘れて、ただただ楽しい、に没頭できた。

ライブが終わってすぐさま思ったことは、セットリストや曲に込められた意味の解釈でも、その意味をいろんな人に知ってほしい、でもなんでもなく、とにかく「楽しかった、次のワンマンも早く行きたい」その気持ちだけだった。

このライブを通じて、彼女たちからみなぎる自信を感じたし、まだまだ先にもっと先へ行ける、もっともっと彼女たち自身が思い描くよりもっとさきの「なりたい自分」になれる、お先明るい、と根拠もなく感じた。
「なりたい自分になれない人はいない」と彼女たちが歌うように、もう、夜明けがすぐそこまで来ているのかもしれない。

 

おわりに

あんなに開放的で、コロナ禍のあらゆる制限を忘れるほどに「かつてのライブ」の姿だったにも関わらず、レギュレーションを守り、心の中の全力コールを貫いたタフ民に拍手を送りたい。

シャチの現場では「当たり前」の光景だが、これは「当たり前」ではない、と様々な現場に行くようになってから改めて思う。

楽しいことが大好きだけど、楽しむためにレギュレーションを守るタフ民のその姿が、きっとTEAM SHACHIのメンバーの「なりたい姿」になるための一助になっているのだと思う。
これからも、メンバーが「なりたい姿」により近づくため、シャチメン自慢のタフ民であり続けたい、心からそう思った。

 

EXTRA:全曲レビュー

感情が渋滞しすぎてどうにもまとまらないので、今回は1曲ずつレビューをすることにした。
長い、まとまりない、でも全曲大好きで楽しすぎた!

  1. 雨天決行
    開演までの間、断続的に雨は降り続けていた。だからこそ、このシャウトを聞いた瞬間ヤッター!!!!!と叫びたくなった。
    そしてステージに降り注ぐ火花!会場がこの火花にどよめいていた。のっけからド派手な演出をかまし、「このライブはすごいものになる」という期待をもたらしてくれた。

  2. ROSE FIGHTERS
    「雨天決行」に続いて、攻撃力高の曲でぶん殴ってくるスタイル、控えめに言って最高だった。イントロのブラスの音色が空間を刺すようだ。
    TEAM SHACHI黎明期の曲にして、ひとつの軸になっている大切な楽曲だと思っているから、大切なライブに組み込まれていると嬉しい。
    今回もラストの「始まる」のコーラスが美しかった。最近、とみにこのコーラスが美しい。不安定だと感じることも多かったのに、たったの数年で大きな変化を遂げ洗練されている。

  3. 番狂わせてGODDESS
    ダメ押し、と言わんばかりにまだまだ攻撃力の高い曲を放り込んできた、と思って変な笑いが漏れた。まだ序盤なのに、出し過ぎだ!と思うほど。
    王者の風格があるイントロとともに噴き出す炎、信じられないほどかっこよかった。「さあ吠えろ Let's burn it up」で本当に炎が吹き出したからわあ!燃えた!と思った。激しく燃えるような曲調にマッチしていて、シャチは炎が似合うな、と心から思った。

  4. J.A.N.A.I.C.A.
    ここでガラッと空気を変えて、楽しい楽曲。
    今宵 無礼講 歌え 踊れ 騒げ(カーニバル) お祭りだ!
    この歌詞のとおり、どんちゃん騒ぎへと照準を定めていく。もう難しいことなんて、どうでもええじゃないかー!と言わんばかりのハッピー感。
    「秋だけどシャチサマ楽しんじゃっても、ええじゃないかー!」に大いに沸いた。
    もう、「大人たちが私たちをどうしたいかわからないけど、ええじゃないか」ではないんだな、と振り返ってみて思う。

  5. サマラバ
    夏の大本命。以前に実施した「夏曲総選挙」でも、4位に輝いた楽曲。その当時の記事では、以下の通り予想を立てていた。

    なお、柚姫の部屋や推しマシで突然話題に上ったり、かかったり、もしかしたらもしかするのか…?もしかするならゲストボーカルは誰…?など妄想が膨らみます。

    夏だ!シャチサマだ!そうだ、夏曲総選挙しよう――勝手に夏曲総選挙開票 - 女限エリアからこんにちは

    ゲストボーカルはいなかったが、ダンサーを加えコミカルに仕上げながらも、シャチメンの成長を感じられた一曲だった。
    セットリストに組み込むのがなかなか難しそうな楽曲だが、「J.A.N.A.I.C.A.」に続くことで適度なバカさ加減と夏のエッセンスが混じり、セットリストにも馴染んでいたと感じる。

  6. JOINT
    夏曲・お祭りブロックの締めに位置づけられるだろう位置に、パーリーピーポーなこのナンバーを持ってくることのセンスの良さ。また、タオル回しの復活。ライブの一つのピークがここだったように思う。
    お立ち台を使い、メンバーが近くにきたり、みんなでタオルを振り回して、楽しさをどんどん高めていく感じがたまらなかった。
    会場中がタオルを振り回す姿はまさに圧巻。素晴らしい夏の景色だった。

  7. Rocket Queen feat.MCU
    イントロが流れた瞬間、TEAM SHACHIのライブだ、とスイッチが切り替わるような思いがする。主人公感のある楽曲だと思う。
    ここでがらりとブロックが変わったのだという実感があった。一気にお祭りモードから、パフォーマンスを見せる態勢に代わっていく。
    セットリストのどこに入っていてもはっとする、そんな特徴をうまく使った組み込み方だったと思う。

  8. 江戸女
    何の前触れもなく披露された新曲。提供は川谷絵音
    ミュージカル調でセリフも多く、異彩を放つ楽曲だった。かなり飛び道具感が強く、所見では「驚いた」という感情が強い。
    早く音源を聴きたい、そう思った。

  9. かなた
    久しぶりだ、そう思った。ダンスはなく、歌唱に力を入れたパフォーマンス。「江戸女」から、歌を聞かせるブロックに突入したのだと気づいた。柚姫のハモリがキラキラ光る、良いパフォーマンスだった。

  10. Rainbow
    え?ライブ終わる?というくらいのクライマックス感。
    「かなた」に続き、キラキラしたイメージがアイドルらしさを引き出した。いつ聴いてもいい曲だ。

  11. SURVIVOR SURVIVOR
    キラキラとしたアイドルらしい楽曲群から一変、サイレンの音とともに赤色灯を思わせる照明が光り、大量のスモークでメンバーが隠された。
    その怪しさたるや、「シャチZERO」を思わせるワクワクを感じた。
    深海を思わせる歌詞に、メンバーを隠すスモークが非常に似合っている。またひとつ、ギアが変わったと感じさせる演出だった。

  12. HORIZON
    「SURVIVOR SURVIVOR」に続いてシリアスな空気を纏い、攻撃力をさらに高める「HORIZON」。この流れがカッコいいに極振りをしていてしびれた。
    笑顔を消し、世界観に入り込むこの楽曲をどう「楽しい」ライブの中に埋め込むか、いつも注目しているがこのつなぎはさすがだ、と思った。

  13. AWAKE
    怒涛のアゲブロックへの前奏曲という位置づけで使わることが多いように感じる。
    かっこよさを持ちつつも、POPにもつなげられるこの曲。単純にメンバーそれぞれの見せ場が多く、楽しい曲だから優秀だ。
    ラストサビの疾走感が、アゲブロックへの良い助走となった。

  14. ULTRA MIRACLE SUPER VERY POWER BALL
    火柱が熱かったことが一番記憶に残っている。ばんくる同様に、炎ががよく似合う。なんでTEAM SHACHIこんなに火柱が似合うんだろうか。
    炎に浮かされてか、メンバーからも、タフ民からも気合がみなぎっているのを感じた。ここでやらず一体いつやるっていうの、この歌詞が似合う。

  15. 抱きしめてアンセム
    どんどん上がる会場のボルテージに対して、まだやれるだろ、と語りかけんかのような選曲。
    ここまで煽られたら、よっしゃやったろうじゃん!という感情しかない。メンバーとの「どっちが馬鹿になれるか」のガチンコ勝負だと私は思っている。
    ここまでくると、アドレナリンがドパドパ出ていてほぼほぼ記憶がない。だが、アンセムの真髄は頭のネジを外すこと。最高だった。

  16. 舞頂破
    AWAKEからの流れで「まだ来るか!」とにやにやした。コミカルさが際立つ楽曲にして、今回のパフォーマンスは「エモさ」が際立っていたように思う。
    夢を見るな、とかさ
    煩い雑音が飛び交って
    つまらない世界なんていらない。

    君しか描けない未来予想図を見失うな。
    必ずできるから。
    このパートが、ものすごいきらめきを放っていた。全員が感情を吐露するように歌っていたのが印象深い。
    今までは、絶対できるよ、と応援するような気持ちが自分にあった。それが今は、そうだね、絶対できる、という「納得」に変わっていた。この圧巻のライブが、その納得感をもたらしていたのだと思う。

  17. DREAMER
    舞頂破からの流れが、あまりに美しすぎた。今の自分を誇り、夢をみることを歌うこの歌が、どんどん納得感を帯びていく。
    空を見上げたら、空を覆っていた雲が晴れて、満月がのぞいていた。「決戦の日は満月 思いつきひらめきは抜群」、まさに今日この日を歌っているようだ。
    DREAMERは、いつもその瞬間瞬間に寄り添っている。

 

<アンコール>


  1. 秋本帆華作詞、待望の一曲。
    誰かの背中を押すような曲にしたい、と語られた。
    事前に公開されたティザーを見た段階では、「Today」や「なくしもの」のようなフォーク色の強い楽曲とイメージしていたが、王道のアイドルポップスで驚いた。歌詞も自然とメロディに溶け込む素晴らしいものだった。
    「悔いなきストーリー 栞は挟まない」という歌詞を聴いて、思ったことがある。
    かつて、野外で行われた2014年のシャチサマでの安藤ゆずのMCだ。
    「チームしゃちほこという本があったとして、本のいまどのくらいの位置なんだろう」と、彼女は語った。
    それを意識してこの歌詞が作られたとは思わない。ただ、2度めの野外のシャチサマで初披露となり、まだまだ夢を見続けることを誓った場面で、この曲が歌われたことが嬉しかった。

  2. ノッてけめんそーれ
    アンコールの大事な場面でこれがかかるとは、思っても見なかった。
    しかし、一番楽しい曲だったのではないだろうか。
    沖縄ルーツのサウンドが持つお祭り感と適度に力が抜けた楽しさががバチッと「シャチサマ」にハマった。
    間奏では、メンバーがくまなく客席を練り歩いた。
    友人と私を見つけた推しメンから、信じられない爆レスを受け、友人が腰を抜かしたのもお祭り感だ。
    やっぱり、何度接触していても、ライブ中に受けるレスは特別なのだ。
    きっと、同じようなドラマが会場のあらゆる場所で発生していたことだろう。
    まさにサビの歌詞の通りのお祭り感あふれるパフォーマンスだった。

  3. Today
    大箱ラストの定番となったToday。これがかかると、ライブも終わるな、という気持ちになる。
    タフ民と気持ちを一つにして、ライブは大団円で幕を閉じた。