女限エリアからこんにちは

愛すべきじゃじゃ馬たちへ

どうやら私は、 やっぱり伝説的なライブを目の前にするとどうしても言語化せずに はいられないらしい。2024年2月12日に行われた「ダイナーシャチ」 がぶっ壊れのライブだった。

このライブがことさら語るべきものになったそもそもの原因はメンバーの体調不良によるステージプランの変更にあるが、私はことさらこれを美化したいというわけではないということを冒頭に記しておきたい。
ただ、「転んでもただでは起きない連中だ」ということを改めて実感したのだ。

背景から整理しよう。
このとき、TEAM SHACHIはツアー中である。 15箇所30公演にものぼるツアーを毎週末、 土日二箇所各2部構成で進めている。移動も多く最も稼働がかかるタイミングで、入れ代わりで体調不良者が出ていたのだ。
イナーシャチの数日前には喉のトラブルで秋本帆華が歌唱を休ん だり、坂本遥奈はレギュラーのラジオを欠席したりしていた。
そしてダイナーシャチの当日、咲良菜緒が体調不良により欠席となり、ライブの取り扱いは以下の通りとなった。

加えて、このライブはチケットをもぎらず入場の有無にかかわらず返金の対象となるという。ドリンク代も不要という異例のレギュレーションだ。

いやもう休めと。30分で終わらせて解散しようと。 わたしは開演前に繰り返し発言していた。
それくらい心配だったのだ。

そしてふたをあけたらどうだ。


何だこの壊れたセットリストは。
アコースティックはまだわかる。
なんだ沸き曲short✕7て。
なんで身体がバキバキなんだ。 なんで背中に激痛が走っているんだ。なんで喉がカスカスなんだ。 30分ライブじゃなかったのか。なんだったんだこれは。

解説をしよう。
病み上がりの坂本遥奈秋本帆華を抱える中の3人体制にあって、 身体に負担がかからないであろうアコースティックを中心として楽 曲が披露された。
それだけで終わらないのがあのじゃじゃ馬たちことTEAM SHACHIだ。
坂本遥奈を祝うべく、「舞頂破」の替え歌である「ハピ破」 を披露、すかさず最後の曲としてキラーチューンとなった「 沸き曲」をねじり込みフロアを大いに沸かせる。
これが伝説の始まりだった。

今日のお立ち台なんか変だね、と、いつもは上手と下手に設置されているお立ち台がセンターに幅広に置いてある。えい、と乗ると「沸き曲」のイントロが流れそのままサビへ!柚姫の「これが沸き曲だーーー!!」のシャウトから「わわわい」の流れのショートバージョンがながれ、「お立ち台に乗ると沸き曲が流れる」 というレギュレーションが明らかになった。

するとどうだ、まだいけるよね!?とか、 もう無理、とか、いやまだいけるって言ってる、などの小芝居を挟んで何度も何度もお立ち台に乗ること。 そのたびにあのイントロが流れ、 サビのワンコーラスと全力声出し必須の「わわわいわわわい!」 と「これが沸き曲だーーーー!!!」 のコンボが決まり続けること。
こうなればタフ民も悪乗りをはじめ、そこかしこから「まだいけます!」と声が。そのたびに誰かがお立ち台に乗る、 みんなで踊って声を出す。
挙句の果てにはメンバー以外なら乗っても大丈夫なのでは!?などと言いながらマネージャーをステージにあげお立ち台に立たせ、沸き曲をセンターで踊らせる始末。
もうイントロがかかるたびにおかしくて、笑いながら沸き曲を踊る。 もうこの空間が最高におかしくて、最高で、あーーーもうこういう奴らだったな、 とお手上げ状態になってしまうのだ。

やると決めたら突っ走る、とことんやる、後のことなど考えない。
この無鉄砲が大好きで、 ずっとずっと彼女たちを追いかけていたのだ。
休めとか、はやくおわろうとか言っていた自分を恥じた。

あのじゃじゃ馬たちは、ステージプランの変更なんて屁でもない。
楽しいと思ったらとことん走る。
細かいことは良いんだ。忘れて踊って馬鹿になる。そんなTEAM SHACHIのライブが大好きだということを、オタク10年選手にしてまた実感してしまった。

沸き曲を繰り返すうち、締め方わかんなくなっちゃった! と笑うメンバーが眩しく見えた。
ライブは、予定を大幅に超え、小一時間で終了した。

開演前に早めた新幹線の予約を後ろに倒しながら、 全くしょうがないじゃじゃ馬たちだよ、と思いつつ、 どうしようもなく頬が緩むのだった。

最高に楽しいライブをありがとう、ゆっくり休んで英気を養ってください。