女限エリアからこんにちは

未来はここから今始まる――TEAM SHACHI 猪突!猛進!猛進!猛進!猛進!ツアー福島公演レポ



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2月12日、HIPSHOT JAPANにて行われたTEAM SHACHI 猪突!猛進!猛進!猛進!猛進!ツアー福島公演に行ってきた。 
今回特出ししてレポートを書いているのは、秋本帆華大黒柚姫坂本遥奈の3名体制のパフォーマンスとなり、これが記憶に残る、また記録に残したいものだったからだ。

本題に入る前に、経緯に触れておこう。
2月2日、咲良菜緒が新型コロナに感染したことが報告され、ツアーの初日仙台公演が延期、 翌日にセッティングされていた福島公演は4名でのパフォーマンスを期待したが、咲良菜緒は満足にパフォーマンスできる状態まで喉が回復せず、公演前日に3名でのパフォーマンスとなることが発表された。
2年ぶりの全国ツアーの幕がいよいよ開くことへの期待と、3名体制がどのような形になるのかという気持ちを胸に、東京駅の21番線から、やまびこ号に乗り込んだ。
そして郡山で見たTEAM SHACHIについて、語っていきたい。

(※今回のレポートは、極力ネタバレのないよう配慮しています。 ただし、「序破急」の項ではセットリストに触れているほか、 その他の項においても完全にネタバレを回避できるものではないので、ご承知おきください。)

目次


咲良菜緒の不在と3名シフト

咲良菜緒はTEAM SHACHIの歌唱の要だと思っている。
特に、アニメ「ドールズフロントライン」とのタイアップを果たした、これがなければ始まらない新曲「HORIZON」 は彼女の声質を十二分に活かすパート割りである。加えて、 どんどんこのパフォーマンスは研ぎ澄まされ続けており、 有り体に言えば「咲良菜緒がいなければ「HORIZON」は完成しない」 と思っていた。
私が正直にこう書けるのは、3名シフトでパフォーマンスされた「HORIZON」が想像以上の出来だったからだ。
「HORIZON」では、 咲良菜緒のパートは彼女が歌う音源を被せて秋本帆華が担当した。 正直、なおちゃんのパートは誰が歌うのだろう、 と思っていたところに推しが登場して思わず変な動きをしてしまった気がする。
冷静に考えれば、秋本帆華はユニゾン以外の歌唱パートを割り当てられていない。バランス・ 歌いやすさを考慮すれば順当な割当だろうとは思うのだが、あのおっとりボイスが咲良菜緒の歌唱音源の力を借りて「HORIZON」 にふさわしい仕上がりになっていたのだから驚きだ。
加えて、秋本帆華は声こそふわっとしているものの一貫してピッチの安定感 がある。だからこそ「SURVIVOR SURVIVOR」でエフェクトがかかるパートを任されている。 (※生エフェクトは、少しでもピッチが外れるとかからなくなってしまうらしい。だから、秋本帆華以外にできないのだと何かで語られていた)
それでいて、表情まで管理して「HORIZON」 の世界観を表現しきっていた。我が推しながら、急なプラン変更にも関わらずさらりとやってのけるこの姿にいたく感心ものだ。
それ以外の曲でも、咲良菜緒秋本帆華のパート変更は多かったように思う。
もちろん、秋本帆華だけでなく曲全体のバランスを見ながら、あるときは坂本遥奈が、ある時は大黒柚姫が、あるときは全員で咲良菜緒のパートをカバーしていた。
そして完成されたライブは、メンバーが一人不在であることを感じさせない完成度だった。

そして、3人という少人数ながらもパワーに満ち溢れたパフォーマンスだった。短時間で調整したとは思えないクオリティだ。
咲良菜緒は、公演の前日、インスタストーリーにて「あの3人なら大丈夫」とコメントしたが、 10年一緒に仕事をしてきた彼女の言うことが正しかったのだ。
咲良菜緒がいない穴を埋めるのではなく、3人がパフォーマーとして120%の力を出した結果、自然体のTEAM SHACHIがそこにあった。不思議と咲良菜緒が不在だという感じがなかったのは次項にまとめた明るさゆえなのか、それとも今は療養という仕事をこなしている咲良菜緒を思いやる言 葉がたくさんあったからだろうか。
とにかく、一人欠けていたにも関わらず満足感の高いライブだった。
これに咲良菜緒が合流したら、一体全体どうなってしまうのか。このツアーに対する期待がさらに高まっている。


とにかくあふれる楽しさと明るさ

今回、特にパフォーマンス中の楽しそうなメンバーの顔が印象に残った。
いつも彼女たちは楽しそうにパフォーマンスするが、「 レポートブログで項立てして書きたくなるほど」 パフォーマンスすることの楽しさが伝わってきた。
というのも、これまでTEAM SHACHIはコロナにただひたすらに振り回され続けてきて、 それでも負けずに泥臭く食らいついてきたし、その悔しさをぶつけて昇華させるような公演・パフォーマンスが多かったように感じ ている。それはそれで、タフでポジティブな熱いパフォーマンスだったのだが、同じ状況下にあって、今回はこれまでにないほど笑顔が溢れていたのだ。
もちろん、クールな表情で締める曲はあれど会場とともに盛り上がる曲はとにかく笑顔、笑顔。 ステージの上で体を動かすことが楽しくて仕方がないといった様相で印象に残った。
今回、幸いなことに1部は最前列で楽しませていただいたが、この笑顔がすごかった。例によって踊り狂っていたが、ふとメンバーと目が合うと本当に嬉しそうな顔をして笑ってくれる のだ。
まるで、「こんなに楽しんでいる姿を見られるのが嬉しい」 とでも言うように。
TEAM SHACHIのメンバーは、折に触れて楽しそうなタフ民の姿を見るのが楽しいと伝えてくれるが、本当にそう思ってくれているんだろうなという実感が持てる笑顔だった。特にハルちゃんが、踊り狂う私と目があうと「すごいね」 とか「いいね」とか「楽しそうだね」とか、 そんなニュアンスの表情をしてくれたことが印象深かった。ダンスリーダーのハルちゃんにお褒めいただいた気になって、ルンルンである。
とかく、この逆境だからこそステージに立って歌って踊れて、観客とともに盛り上がれることの喜びに満ち溢れたステージだった と思うし、会場のタフ民もきっとそれを感じていたと思う。
ハルちゃんはパシフィコ横浜までの道のりを振り返って「みんな強がっていたと思う」と語った。 そんなパシフィコを終えてから、とにかく自信に満ち溢れているなと感じるシーンが増えたように思うが、今回の公演に詰められた笑顔のパワーからもそれを感じた。
まるで、「菜緒がいなくても私達はちゃんとやれる、 だからゆっくり休んでほしい」とでも言うように。
逆境をバネにしてきたのがこれまでなら、逆境すら楽しんでしまうのが今だろう。まさに「 積み上げた過去をガソリンに」して、 猪突猛進を始めるツアーの助走にふさわしい。
そんな、ポジティブのギアが一つあがったTEAM SHACHIの姿が福島にあった。


序破急

(※セットリストのネタバレを含みます。なお、 本公演の構成は3人シフトの特別バージョンであり他のツアーとは 異なることが明かされています。)
1部・2部とも、TEAM SHACHIのお手本のようなライブだったように思う。
一発目から咲良菜緒不在の「HORIZON」で度肝を抜き、そのまま「SURVIVOR SURVIVOR」でぶん殴ってくる姿は攻撃力高すぎて倒れるかと思ったし、その後の「BURNING FESTIVAL」からの踊るパートではとにかく笑顔を振りまきながら踊る踊る。
中盤で各メンバーのソロを見られたのは今回の特別セットリストならでは。「One-One-Love」 はパシフィコ以来の披露となり、映像の発売を前にして良いものを見られた。
後半の盛り上がりは激アツからのエモーショナルで、特に1部の「 雨天決行」→「番狂わせてGODDESS」→「 抱きしめてアンセム」→「START」は怒涛、 首振りまくって翌日起きられななかったのは言うまでもない。
2部では最後の2曲が「DREAMER」→「Rose Fighters」と変わり、(おそらく) 久々のRose締めに大いに沸いた。
俯瞰して見れば、彼女らの魅力を全て味わえるTEAM SHACHI全部盛りといったところか。
この、緩急がしっかり効いた「序破急」 なセットリストは本当に見事だった。

普段は意味を読み取りたがる私だが何も考えずにただただ楽しい! その感情に包まれて幸福になれる、 そんなライブだったように思う。

大黒柚姫は、「人生に行き詰まったらTEAM SHACHIのライブに来てほしい。すべて解決してあげる」 と語ったが、 人生の色々をふっとばしてくれるパワーが確かにあるな、と実感したし、この楽しいライブで何度救われてきただろうか、そんな気持ちになった。


これからの猪突!猛進!猛進!猛進!猛進!ツアー

私がこのツアー初手の東北行きを決めた理由が、「 ツアーが始まったTLを、 まだ参戦していない状態で見ていられる自信がなかったから」 だった。
そして紆余曲折を経た初日の福島公演は、実質的には「ツアー初日」ではない。
今回の公演は3名シフトの特別公演であり、 アルバムに収録される新曲(おそらくRainbow、 positive beautiful)は披露されていない。また、 言外に本来であれば披露されるはずだったと取れる発言もあり、これは咲良菜緒が無事合流でき次第叶うものだろう。
わたしが行ったのは、 偶然できたワープゾーンのようなものだ。これが楽しかったのは、これまで語ってきたとおり。
しかし、猪突猛進はここから始まっている。暖機は十分、未来に向かって駆け出す彼女たちに、できる限り並走していきたいと感じる公演だった。

期待感が高まるこのツアー、やはり多くの人に見られるべきだろう。


今後のツアー予定

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【プレイガイド一般発売<先着>】
●イープラス:TEAM SHACHIのチケット情報 - イープラス
ローソンチケットチケット検索結果|チケット情報・販売・予約は | ローチケ(ローソンチケット)
●チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/teamshachi2022/


extra

いつも流れが悪くて組み込めない感想があり歯がゆいので、箇条書きで供養するコーナーを作りました。下に行くほど読まなくていいやつです。今回の公演に関する自身のツイートもまとめました。

  • 正直菜緒ちゃんの不在は不安だったけれど、誰かが不在でもきっちり仕事をこなせるチームっていいな、と思った。
    これから先、長く続ければ続けるほど色んなことがあって誰かがお休みせざるを得ない状況もあるし、それに対応できることが長く活動することの安心材料になるのではと思う。例えば安本彩花の休業を支えて、帰ってくる場所を守っていた私立恵比寿中学のように。
    この四人でも、きっとそれができると確信したし、それがチームだなと思った。当然フルメンバーがいいけど、誰かがいなくても大丈夫、これをポジティブに肯定できることがわかったのが、大きな収穫。
  • JUMP MANツアーを思い出しているタフ民が多いなという印象。メンバーもMCで触れていた。
    このとき私は人生がなかなか停滞していて、ほとんど現場にいけてなかったので悔しい。地元に来てたのに1公演も行かなかったの、初めてなんじゃないだろうか。
    でも、そんな時期があってもこうして戻ってこられる(そして悪化している)現場があって本当によかった。その頃支えていたタフ民にマジ感謝。ちゃんともっと支えられるようになって戻ってくることができました。
  • 顔認知ありの最前エグいなーと、突然生々しい話。
    大黒柚姫、私の動きのクセが強いと何度も言っていたけど、目があって若干ニヤってするので近いときは大人しくしてようかな!?と思った。でも間近で見る柚姫ちゃんすごかったよ。雨天決行のお腹がマジでコンプラ違反だよというくらいセクシーだった。
  • 何年も怖くて認知を確認できなかった秋本帆華、最近確認してからすごくスッキリしたんだけれど、それからというものの彼女から好かれている気がする(?)OEOEOで私と逆の上手方向から、私を狙撃してくれた(口パクの「バン!」)のはとうとう戦術人形になったとかそういうことなんですか?レベル70にしてリンク3にして1体もらってくね……。(わからない人はドルフロをプレイしてくれ)
  • 「まってるね」の秋本帆華、会場にいる全員と目を合わせようとしてるのか?というくらいよく会場を見ていたと思う。これは今回に限った話ではないので、おそらく彼女にとって特別な曲なんだろう。わたしは「むき出しの秋本帆華」だと思っている。
  • startの「その手握りしめるからずっと離れないで」のパート、目の前で秋本帆華が歌っていてそれをかぶりつきで見ていて、二人の空間だと錯覚してしまうほどだった。目はあっていたと思う。
    なんか一蓮托生、と思って思わずペンライトを前に出してしまって(ステージとは1メートルくらいあるので絶対手は届かない)、本当にこの手を握りしめられたような気持ちになった。
    ちょっと前に、「この仲だよ」と言われたばかりなので、なんというか心が通じたというか、すごいエモかった。一生忘れないし、絶対離さない。

【ツイートまとめ】

 ※正しくは「筒」