女限エリアからこんにちは

2022も一年ありがとう――シャチの大感謝祭

良いクリスマスをお過ごしください――12月24日、那覇空港を出発して羽田に到着したANAの機内アナウンスを聴きながら、早く私をここから出してくれ、そう思っていた。

クリスマスイブは最悪な滑り出しだ。出張先で上司と飲み、沖縄のバカ強い酒でグロッキーになりながらフラフラと那覇空港に向かい、ほうのうの体で搭乗口にたどり着いたら機材トラブルでフライトが30分ディレイした。

オタクのクリスマスは忙しい。今日はライブが3本もある。こんなばかみたいなスケジュールを組んだのは自分だ、とまだドアが開かない機内で自分を落ち着かせる。

そんな紆余曲折を経て品川ステラボールに私はいた。TEAM SHACHIのラストワンマン。

私のクリスマスがどうなったのか、レポートをしながら振り返りたいと思う。

概要

2022.12.24 @品川ステラボール

一年の感謝を伝えるイベントとして、昨年から続けているライブ。アコースティックパートあり、カバー曲あり、歌って踊るいつものライブありてんこ盛り。

今年はブラス民に加え、お馴染みとなったバンド民(Gt. masasucks / Dr. Tatsuya / Ba. MIYA)さらにTEAM SHACHI・チームしゃちほこ名義の珠玉の楽曲を数多く手掛けた浅野民こと浅野尚志も参加した生バンド編成と豪華、たっぷり2時間の大ボリューム。

アコースティックパートではメンバーの歌を存分に堪能、後半のブロックではバンドのサウンドに乗って大暴れ、クリスマスイブの夜にふさわしいフルコースを味わえるライブだった。

 

トピックス

アコースティック・カバーパート

ライブ前半はアコースティックパートからスタートした。客入れBGMが消え、バンド民がスタンバイをすると、overtureである「ORCA」が流れるかと思いきや鳴り響く鈴の音。アコースティックギター、ベース、ドラムの3ピースで奏でられる音に乗せて、「サンタが町にやってくる」が歌われた。

メンバーは普段の「アイドル衣装」ではなく、美しくスタイリングされてドレスアップした姿。クリスマスムードが一気に上がった。

そんな特別感を纏わせ、アコースティックパートは進んだ。

アコースティックバージョンでは初披露となる「シャンプーハット」をはじめ持ち歌を披露した。また、浅野くんを迎えて「DREAMER」「解凍ガール」をピアノ一本でパフォーマンス。カバーはDISH//「猫」、槇原敬之「チキンライス」、Official髭男dism「115万キロのフィルム」、BoA「メリクリ」が披露された。

音数が少ないアコースティックで、歌だけに集中する環境で、メンバー4人の歌声の個性を改めて実感した。

パワフルで、高いキーも低いキーもしっかり決める咲良菜緒。ハイトーンが美しく決まり、繊細さを纏う大黒柚姫。唯一無二のファニーボイスでピッチがブレない秋本帆華。抜群のリズム感が支えとなり、ハイトーンではファルセットを使わない歌い方が「エモ」さを生み出す坂本遥奈

丁寧に奏でられるサウンドと歌がマリアージュして、非常に贅沢な時間だったと思う。

 

ガッツリライブ

後半ブロックは、メンバーが一旦はけてバンド民のセッションから幕を開けた。ギター民のmasasucksが上手下手に設置されたお立ち台を使いながら、即興でプレイするかっこよさに観客は湧いた。次第に、ちらほらと立ち上がる観客が増える。そして、「ORCA」のギターソロに至る。

普段の「ORCA」よりより長く、アレンジの効いたそれは、やはり実力は折り紙付きのバンド民。かっこよくてこれだけで身体が縦に揺れる。そしてブラス民が合流。凄まじい音の圧。これだよ!これ!と血が滾った。

とうとう、改名当初に着用していた真っ赤な衣装に身を包んだメンバーが登場。

ライブの後半は、バンド民の演奏でイメージがガラリと変わった「眠れないナイNIGHT!」からスタートした。前半のアコースティックパートで作ったゆったりした空気を、強制的に切り替えるパワー。

意外な選曲に思えた「んだって!!」や、できたてほやほやの「東海コンプライアンス」を経ながら、定番のキラーチューンをぶつけてピークを作る姿は流石だった。

その一方、本編の締めに「光」を据えてきたところが2022年っぽさがある。

 

江戸の女に生まれたかった女の魅力

また、特に記録するべきことといえば「江戸女」を軸とした大人の女性の魅力を引き出すパートだろう。

一部では「MAMA」→「江戸女」、二部では「HONEY」→「江戸女」だったこの小さなブロックが、セットリストの置きどころが難しい「江戸女」とバチッとハマった。

「MAMA」は庇護下から脱する自立の歌、「HONEY」は色気を感じさせる昔の恋愛を歌う歌だ。これに「ちょっとセクシー」な「江戸女」をぶつけて得た化学反応は「今まで見たことのないTEAM SHACHI」だった。

パワフルさが売りの彼女たちだが、特に改名直後は「強い大人の女性像」を描き出そうとして模索していた。これに対するひとまずの今の置き場所がこのブロックだったかな、とすら思えるほどの流れの気持ちよさと、目を奪われるようなパフォーマンスだった。

それにしても、大人の魅力を出そうとするとやはり大黒柚姫が魅惑的に光る。まだ学生だった頃にはなし得なかっただろうこのパフォーマンスを見て、やはり長く追うと良いことがあるな、と思うのであった。

 

総括

結局のところ、クリスマスイブは品川駅の駅ビルの中で、私はお酒なんて嫌いだから、とレモンスカッシュを飲みながら、楽しく仲間とライブの感想を語り合って終わった。

ああでもない、こうでもないと感想が尽きないライブは良いライブだ。

TEAM SHACHI納めとなったこの日、当日のライブや今年の様々なライブを思い返しながら、2日ぶりの我が家へと帰ったのであった。

 

セットリスト

1部

  1. サンタが街にやってくる
  2. よろしく人類 
  3. 猫(カバー/DISH//
  4. チキンライス(カバー/槇原敬之
  5. シャンプーハット 
  6. 解凍ガール W/浅野尚志(ピアノ)
  7. DREAMER W/浅野尚志(ピアノ)
  8. OVERTURE-ORCA-
  9. 眠れないナイNIGHT!
  10. んだって!!
  11. 東海コンプライアンス
  12. MAMA
  13. 江戸女
  14. 舞頂破
  15. 乙女受験戦争
  16. 番狂わせてGODDESS

<アンコール>

  1. もーちょっと走れ!!!
  2. マジ感謝

 

2部

  1. サンタが街にやってくる
  2. よろしく人類
  3. 115万キロのフィルム(カバー/Official髭男dism)
  4. メリクリ。(カバー/BoA
  5. シャンプーハット
  6. DREAMER W/浅野尚志(ピアノ)
  7. 解凍ガール W/浅野尚志(ピアノ)
  8. OVERTURE-ORCA-
  9. 眠れないナイNIGHT
  10. んだって!!
  11. 東海コンプライアンス
  12. HONEY
  13. 江戸女
  14. 舞頂破
  15. 抱きしめてアンセム
  16. START
  17.  光

<アンコール>

  1. 最上級の愛の言葉
  2. マジ感謝